cherry
一章

12月24日

震える唇から白い吐息が漏れる。
マフラーで口を隠し、駅までの道のりを静かに歩いた。

ヘッドフォンから流れる音楽が自然と指を動かせる。

「もう少しだよ、後少しで我が家だ」

なんて、子供をあやすようにギターケースを撫でた。




これから何が始まるのかワクワクして昨日もなかなか眠れなかった。


これから始まるのは…

なんだろ。


期待と不安で胸が押し潰れそうだった。
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