愛してる
−NO2−
-to1-
アタシと誠は屋上にいた。
『愛、どした?暗い顔して。』
誠がアタシの顔を覗き込む。
『誠、ガン体質なの?』
『・・・琵月か。』
『うン。聞いちゃったんだ、ゴメン。』
屋上はアタシと誠だけ。
さみしく風が吹いた。
『俺が前好きになった女の子がさ・・・俺ガン体質だって話したら、アタシ看病トカまじだるいし死ぬのに付き合ってらんない、って言われてさ・・それ依頼隠して生きてるんだ。』
アタシは涙が出た。
『ひどい・・・。何でそんな事言うの・・・・・。アタシ、許せないよその人!死ぬって決まった訳じゃないじゃん。好きなら看病とかじゃなくて傍にいたいって思わないの・・・。』
誠はびっくりした顔をしている。
『ゴメン!俺泣かすつもりは・・・。』
『謝んないでよ。アタシが勝手にムカついてるだけだから・・・。』
『愛みたいな人、初めて。』
『え?』
『愛みたいに、俺の事そんな風に大事にしてくれる人。』
誠はアタシを抱きしめた。
『誠、アタシその人みたいに消えたりしない。・・だから傍にいちゃ駄目かな・・?』
誠のアタシを抱きしめる手が強くなった。
・・・・震えてる?
『誠・・?どうしたの・・?』
『愛、ありがとう・・・。本当嬉しいんだよ・・。』
『誠・・・。ずっと傍にいるから、安心してね。』
『うん・・。』
誠、アタシはいくら悲しんでもイイよ。
辛くても、誠の前では我慢する。
だから、
誠はもう我慢しないで・・−。