愛してる
病室を覗くと、誠は泣いていた。
アタシ、誠を泣かした?
アタシの足は勝手に誠の元に行っていた。
身体は勝手に誠を抱きしめていた。
『アタシ、もう誠に会わないから。だから、泣かないで………。』
『愛………。俺だって傍にいたいケド、最後に悲しむのは愛なんだよ…………だから……。』
『もう………イイから。アタシに気使わないで。』
アタシは誠カラ放れた。
『愛、俺ッ。』
『誠。』
アタシは誠の話を聞かなかった。
誠は大事な事を言おうとしたのに………。
遮るようにアタシは言った。
『アタシ達、出会わなければ良かったね……。』
アタシは病室を出た。
これで、おしまいだね。
大好きだったよ、誠。
愛してる。
これからも、ずっと……。