もう一度、はじめから
dull
「寒……」
外に出ると、空気はすっかり秋になっていた。さすがに10月ともなると、この間までの少し夏を引きずった空気とは違い、風は冷たく、空気は吸うとツンとした。
でも、あたしはこの秋の空気が一番好きだ。それがあたしの誕生月だからなのか、単にあたしの性格に合っているのかはわからないが。
「……誕生日か」
あたしは小さく呟いた。そして、なんとなく去年のその日のことを思い出そうとしていた。
「ちーーかーー!」
桃の唐突な大声にその記憶はすっかりどこかへ飛んでいった。
「うるさい……」
「ひどいな、人が朝から元気に挨拶してあげてるのに」
「んなキャラじゃないくせに」
「まあね」
あたしは心の中で桃に感謝して、前で何やら愚痴をたれている彼女の後ろをついてった。
外に出ると、空気はすっかり秋になっていた。さすがに10月ともなると、この間までの少し夏を引きずった空気とは違い、風は冷たく、空気は吸うとツンとした。
でも、あたしはこの秋の空気が一番好きだ。それがあたしの誕生月だからなのか、単にあたしの性格に合っているのかはわからないが。
「……誕生日か」
あたしは小さく呟いた。そして、なんとなく去年のその日のことを思い出そうとしていた。
「ちーーかーー!」
桃の唐突な大声にその記憶はすっかりどこかへ飛んでいった。
「うるさい……」
「ひどいな、人が朝から元気に挨拶してあげてるのに」
「んなキャラじゃないくせに」
「まあね」
あたしは心の中で桃に感謝して、前で何やら愚痴をたれている彼女の後ろをついてった。