もう一度、はじめから
「ちか、今日も音すごかったよ」
桃が仕方ないというように笑いながら言った。
「ごめん」
「今何やってるの?」
音大生の間じゃぁお決まりのセリフだ。
「試験曲は“バッカナール”だけど、今日やってたのは違う」
またー!?桃が呆れたように言う。
というのも、あたしは課題曲や宿題に飽きると自分の好きな曲のアレンジを始めてしまうのだ。少し休憩がてらならまだしも、つい熱中してしまって、下手すると、休日なら1日いっぱいやってたりする。
「そんなんだからいっつも先生に言われんだよ!」
「なんて?」
「ちゃんと課題をやってきてね、って」
桃があたしの先生の似てない真似をしながら言った。
「どうもすいませんねー」
だめだ、こりゃ。今度は長さんの真似をして言った。せっかくの可愛い顔が台無しだ。
「こりゃ、しばらく彼氏はできないね」
あたしが言うと桃は、はぁ!?とどこから出たのかわからない声で言った。
あたしたちは口喧嘩の真似をしながら、秋の近づく夜の中を帰った。
桃が仕方ないというように笑いながら言った。
「ごめん」
「今何やってるの?」
音大生の間じゃぁお決まりのセリフだ。
「試験曲は“バッカナール”だけど、今日やってたのは違う」
またー!?桃が呆れたように言う。
というのも、あたしは課題曲や宿題に飽きると自分の好きな曲のアレンジを始めてしまうのだ。少し休憩がてらならまだしも、つい熱中してしまって、下手すると、休日なら1日いっぱいやってたりする。
「そんなんだからいっつも先生に言われんだよ!」
「なんて?」
「ちゃんと課題をやってきてね、って」
桃があたしの先生の似てない真似をしながら言った。
「どうもすいませんねー」
だめだ、こりゃ。今度は長さんの真似をして言った。せっかくの可愛い顔が台無しだ。
「こりゃ、しばらく彼氏はできないね」
あたしが言うと桃は、はぁ!?とどこから出たのかわからない声で言った。
あたしたちは口喧嘩の真似をしながら、秋の近づく夜の中を帰った。