世界でいちばん・・・
春
☆颯斗☆ (-人-)→ε=┌(;´゚ェ゚)┘
あぁ・・・春だ・・・あぁ・・・朝だ・・・だりぃ・・・
誰がセットしたか分からない目覚まし時計が、俺の部屋中に鳴り響いている。
重い上半身を起こし、時刻を確認すると・・・
・・・AM 6:30・・・
・・誰だよ・・・こんな早くに目覚ましセットしたヤツは・・・
とりあえず、机の上にあったミネラルウォーターに手を伸ばす。
ぬるい水が、乾いた口の中に浸透していく。
水を口にしたせいで、目が冴えてしまった。
生憎、俺は二度寝できる人間じゃなく
低血圧でもない。
意外と朝に強いタイプだ。
なので、起きたら起きっぱなし。どんなに早かろうが・・・
・・今は、その「早かろうが」の時間帯だ。
こういう時って、なぜか損した気分に陥る。
・・・もう少し寝ていればよかった・・・
少しして 頭が、うすうす活動をし始めた。
・・・そういえば・・・今日は委員会の仕事で、朝早いんだった・・・
だから目覚ましが6:30なんかにセットされてたんだ・・・
やっと状況が把握できた俺は、
カバンに教科書やらなんやらを詰め込み、
朝食を食うのも忘れて、急いで家を出た。
ケータイで確認した 今の時刻は7:15。
やっべ。急がないと。
・・・そうか。目覚ましセットしたの、俺だったんだ。
もう、頭はきちんと活動している。
このままでは遅刻してしまう、という事態も把握できている。
・・ふぅ~・・また、いつもの近道を使わなきゃだな・・・
俺は嫌々ながらも、薄汚れた路地や、民家の裏を通り、学校へ急いだ。