蒼翼記
『羽憑き』
リンが療養中口にしていたライアの作るスープには、森の中の薬草が入っていた。
その薬草はメイスフォールや他の獣達が何処からか採って来ていたのだが、とにかく目を見張るべきはその強力な効能だった。
リンの体のあちらこちらを貫通した銃弾の傷は3日で塞がり、折れていた骨も5日目にして全ての箇所がもう完全に治りつつあった。
その腰から生えた『羽』も曲げ伸ばしがそろそろ可能になってきている。
「ねぇリン?」
「…え?」
外から顔を覗かせながら興味深そうにリンを見ていたライアが不意に口を開いた。
治りきった腕の傷を観察していたリンが振り返る。
色素の薄い、ブロンドからさらに色が落ちたようなリンの髪は襟足だけが腰まであって、程よく筋肉のついたリンの背中で尾を引くように揺れる―着ていた服は怪我で使い物にならなくなってしまい、今はメイスフォールが拾って来たズボンのみ―。
ライアの目はそのリンの髪と同じ色をした、彼の腰から生える一対の翼を見ていた。
その薬草はメイスフォールや他の獣達が何処からか採って来ていたのだが、とにかく目を見張るべきはその強力な効能だった。
リンの体のあちらこちらを貫通した銃弾の傷は3日で塞がり、折れていた骨も5日目にして全ての箇所がもう完全に治りつつあった。
その腰から生えた『羽』も曲げ伸ばしがそろそろ可能になってきている。
「ねぇリン?」
「…え?」
外から顔を覗かせながら興味深そうにリンを見ていたライアが不意に口を開いた。
治りきった腕の傷を観察していたリンが振り返る。
色素の薄い、ブロンドからさらに色が落ちたようなリンの髪は襟足だけが腰まであって、程よく筋肉のついたリンの背中で尾を引くように揺れる―着ていた服は怪我で使い物にならなくなってしまい、今はメイスフォールが拾って来たズボンのみ―。
ライアの目はそのリンの髪と同じ色をした、彼の腰から生える一対の翼を見ていた。