蒼翼記
一斉確認の間、憲兵は皆召集され、確認が終わった所からまた見張りについていく。
時間がかかるから最初の方にいなかったとしても後半で紛れ込めば問題ない。
塔の屋上でしばらく待っていると押し殺すような足音に気が付き、やがてそっとガイカス・トリアノスが出てきた。
尾行されている気配がないことと、ざっと周りを見渡し遠方の塔等にも人の目がない様子であることを確認すると、黒髪の羽付きはどっかりと腰を下ろし、ガイカスも慌ててそれにならった。
「…リンが城を去った本当の理由を知りたいと言ってたな」
律義に「はい」と返事をした憲兵にチェオは少し申し訳なさそうに言った。
「実のところ、本当の理由は俺も知らない」
というより、俺も知りたいの方が正しい。
「でも、俺とした会話がそれを早めたんだろうことは、予想がつく」
それから二人は、お互いの知るリンについての情報を交換しあった。
時間がかかるから最初の方にいなかったとしても後半で紛れ込めば問題ない。
塔の屋上でしばらく待っていると押し殺すような足音に気が付き、やがてそっとガイカス・トリアノスが出てきた。
尾行されている気配がないことと、ざっと周りを見渡し遠方の塔等にも人の目がない様子であることを確認すると、黒髪の羽付きはどっかりと腰を下ろし、ガイカスも慌ててそれにならった。
「…リンが城を去った本当の理由を知りたいと言ってたな」
律義に「はい」と返事をした憲兵にチェオは少し申し訳なさそうに言った。
「実のところ、本当の理由は俺も知らない」
というより、俺も知りたいの方が正しい。
「でも、俺とした会話がそれを早めたんだろうことは、予想がつく」
それから二人は、お互いの知るリンについての情報を交換しあった。