蒼翼記
「…憲兵も?」

「はい。
ここ一ヶ月ちょっとで、3人程」




それを聞いて今度はチェオが眉を潜めた。

オウルの言っていた情報の記憶を辿る。


確か、いなくなっている羽付きも…




「…………3人、だ」

「え?」

「消えた羽付きも、俺が知る限りでは3人だ」





2人ともそこで同じようなしかめっつらで黙り込んだ。

双方、城に呼び出されてからいなくなったのは確かなのだから、城が関係しているのは確実だ。

しかし、意図が見えない。


「リンが見た事と関係が…?」





チェオの呟きに隣にいたトリが顔を上げる。



リンは何を見た?
城では何が起こっている?







そこまで行くと、思考は止まる。
同道巡りだ。


情報が少な過ぎる。










「あの…」

トリの声に埋没していた意識が再び浮上する。


「リカルド殿の行方を探していると先程言っていましたけど…」

「あぁ、言った」

「探して…どうするんですか?」





………
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