蒼翼記
「ほぅ、それは興味深い話だ」

「あまく見るな。クロネコなんぞで薙ぎ払える力じゃない」





この銀髪の青年は我が弟子にして戦友であるクロスメイアスを"クロネコ"と呼ぶ。
偏にその扱いはそのままこの青年の戦闘力の高さを表しているのであろう。




「とうとう城が"羽付き"の統制薬を完成させてしまったんだ」



『羽付き』とは確か人間の中で稀に生まれる『異人類種』の中でも更に稀なる珍種だとか。

現在まで確認されている異人類種の中でも群を抜いて戦闘能力が高いと聞く。





悪い予感を、感じないでもなかった。












この"余裕"が"油断"になっていたのは言うまでもない。





二人の友人が忠告に来てから数日後、。









私は玉座の天井となっていた瓦礫の下に囚われていた。
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