蒼翼記
人目を考え100メートル程手前で降り、あと少しの目的地まで歩いて向かう。


木々の間からは徐々に光が溢れ出し、やがて開けた。






一面のグラジオラス畑。

















「すごい…」

「でしょうっ?」


ライアは自分の事のように得意げに笑いながらグラジオラスの中に入って行く。

木の下でほうけているリンを振り返り、淡く笑う。


その姿を見、リンはただ呆然とライアを追い掛ける。




そして、目の前に映る儚げな少女を抱きしめる。

少しして、背まで伸びたその髪をかきあげ、触れるだけの口づけを繰り返した。









もう一度彼女を抱きしめると、花畑の終わり、街の外れの所にとらえた人影に、リンは目を疑った。


















「……………チェオ…?」
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