蒼翼記
差し出された傘
サアァァァァァ…
顔にあたる水の感触と、絶えず続く静かな雨音で目が覚めた。
どうやら僕は『あいつら』に撃たれた後意識を失ってここに転落したらしい。
僕の視界の大半を覆う大木―仰向けに倒れている僕のすぐ脇から生えていて、倒れたままの視界では、幹の太さが計り切れないほど大きい―のおかげで、僕は死なずに済んだようだ。
…―そのまま死んでもよかったのにな―…
とはいえ僕はどのくらい気を失っていたんだろう?
森の中、雨で霧が出ているのもあり時間帯どころか周りの様子すらわからなかった。
「………っ痛っっ……」
身を起こそうと力を入れると身体の要所要所に鋭い痛みが走る。
…この調子じゃ『羽』は使えそうにないな。
腰から生えているはずの『それ』は痛覚が麻痺して既に感覚がなかった。
傷口の出血はその多さと深さで止まってくれてはいないようで、ひどい寒気を感じるも逃げる為に死に物狂いで飛んでいた僕には震える程の体力も残っていなかった。
雨音が、随分遠くに聞こえる。
顔にあたる水の感触と、絶えず続く静かな雨音で目が覚めた。
どうやら僕は『あいつら』に撃たれた後意識を失ってここに転落したらしい。
僕の視界の大半を覆う大木―仰向けに倒れている僕のすぐ脇から生えていて、倒れたままの視界では、幹の太さが計り切れないほど大きい―のおかげで、僕は死なずに済んだようだ。
…―そのまま死んでもよかったのにな―…
とはいえ僕はどのくらい気を失っていたんだろう?
森の中、雨で霧が出ているのもあり時間帯どころか周りの様子すらわからなかった。
「………っ痛っっ……」
身を起こそうと力を入れると身体の要所要所に鋭い痛みが走る。
…この調子じゃ『羽』は使えそうにないな。
腰から生えているはずの『それ』は痛覚が麻痺して既に感覚がなかった。
傷口の出血はその多さと深さで止まってくれてはいないようで、ひどい寒気を感じるも逃げる為に死に物狂いで飛んでいた僕には震える程の体力も残っていなかった。
雨音が、随分遠くに聞こえる。