蒼翼記
柔らかい芝生の上にライアを寝かせ、グラジオラスの消えた方向に歩いていく。
泉の裏手には花畑があった。
赤いパンジー、
真っ白な鈴蘭、
紫のヒヤシンス、
クロッカスに、
クレマチス、
様々な花の中心には、グラジオラスの群生。
花々に埋もれるように転がる骨を見つけた。
巨大な人間の頭蓋骨の鼻から上だけのような骨と、細長い沢山の骨。
メイスフォールのものだろう。
短く黙祷を捧げ、ライアの元に戻った。
しばらくライアの側で様子を見ていると、ライアは目を覚ました。
「…おはよう」
何を言ったものか少し迷い、結局そう言って微笑む。
目を覚ましたばかりの少女はリンを見るなり嬉しそうに微笑んだ。
「私、あなたの事、知ってるわ」
耳を疑った。
何も言わずにいると、起き上がって辺りを見回した。
「不思議ね。
私、自分の事もなんでここにいるのかもわからないのに…あなたを見るととても嬉しい気持ちになるのよ?」
不思議がっている彼女に、リンはもう一度微笑んだ。
そして、優しく抱き寄せる。
「君の名前はライア。
僕はリン・リカルド。この森を任されてる」
「誰に?」
腕の中でくすぐったそうに聞くライアの髪を撫でる。
「……皆に、だよ」
.
泉の裏手には花畑があった。
赤いパンジー、
真っ白な鈴蘭、
紫のヒヤシンス、
クロッカスに、
クレマチス、
様々な花の中心には、グラジオラスの群生。
花々に埋もれるように転がる骨を見つけた。
巨大な人間の頭蓋骨の鼻から上だけのような骨と、細長い沢山の骨。
メイスフォールのものだろう。
短く黙祷を捧げ、ライアの元に戻った。
しばらくライアの側で様子を見ていると、ライアは目を覚ました。
「…おはよう」
何を言ったものか少し迷い、結局そう言って微笑む。
目を覚ましたばかりの少女はリンを見るなり嬉しそうに微笑んだ。
「私、あなたの事、知ってるわ」
耳を疑った。
何も言わずにいると、起き上がって辺りを見回した。
「不思議ね。
私、自分の事もなんでここにいるのかもわからないのに…あなたを見るととても嬉しい気持ちになるのよ?」
不思議がっている彼女に、リンはもう一度微笑んだ。
そして、優しく抱き寄せる。
「君の名前はライア。
僕はリン・リカルド。この森を任されてる」
「誰に?」
腕の中でくすぐったそうに聞くライアの髪を撫でる。
「……皆に、だよ」
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