蒼翼記
体から意識だけが離れるような気分に、しばらく僕はその唄に音もなく聴き入っていた。



「…鳥さん、お名前は?」
「!?」



突如檻の中の唄い主がかけた声に心臓が跳ね上がった。


…気付かれていないと思っていたのに…。


檻の中で唄い主はクスクスと無邪気に笑っている。








「…異人類種ナンバー00。」
「…?」






気持ちの悪い、沈黙。
< 26 / 209 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop