蒼翼記
透明なスープ
……………………
…―気が付くと、プレッシャーに近い何者かの視線に、不快感を覚えて目が覚めた。
まず見たのは、僕を至近距離で観察する大きな目。
大きな目、と言うのは比喩ではなく、裕に僕の顔より大きい。
そして、僕を包むふわふわの羽毛。
「目が覚めたか。」
僕が状況を把握しきれず固まっていると、楽しげな老人を思わせるしゃがれ声がした。
その声が今目の前にいる者の声だと理解する頃には、彼は顔を上げ、滑らかな動きで真後ろに首を回していた。
「ライア、目を覚ましたようですよ。」
「本当っ!?」
僕の寝ている所よりもだいぶ低い位置から鈴のような声がして、近寄って来る足音がした。
状況を把握したいが、頭が思うように動かない。
ついでに体中が一挙に痛み出した。
ふっと僕を覆っていた羽毛―布団にしては軽い思っていそれは一対の大きな翼だった―の片方が視界から消え、戻ってくる時にはその羽に少女―おそらくこの子がライアだろう―を乗せていた。
好奇心の強そうなくりくりとした目でこちらを覗き込んでくる。
「……此処は…?」
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