蒼翼記
「きゃーーーっ」





すごいけしきがうれしくて、おおきい声がでた。

よるのもりはずっと、ずぅっとひろかった。





「ヒトの子よ。名を何と言う?」

「なまえ?
えっとね…あれ?
わかんない」

「?
自身の名がわからぬと…?」

「うん。
起きたらね、おはなばたけにいてね、ここに来たの」



あたしがそう言って笑うと、鳥のおじいちゃんはちょっとだまった。






「…恐れを知らぬヒトの子よ。
この森に留まりたくば我等が王に許しを乞うてみよ」

「?……われらがおお…?…」



むずかしい言葉をいいながら、鳥のおじいちゃんはあたしを降ろした。


「王の元に、自分の足で辿り着いてみよ。」

「!
どこいっちゃうのぉっ?」








「我が名はメイスフォール。
王の元にお前が辿り着く事が出来た時、また会うだろう」















また、ひとりぼっち。

でも『おおさま』のところにいけばまたあえるから。
いこう。

『おおさま』に『ゆるし』をもらおう。
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