†シークレット・ラブ†
「あ…ありがとうございます」
瞳を見ながらお礼が言える程、素直じゃないあたし
恥ずかしくて
下を向いたまま
お礼を告げた。
「じゃあ」
彼は、そう告げると、すぐにクルッと後ろを向いて走り去ってしまった。
ドンドン小さくなっていく背中に
「ありがと──…」ともう一度告げると聞こえたの?
振り返り、ニカッとまた微笑んだ。
『また会いたい──…』
遠ざかる彼の背中を見つめながら
あたしは、いつの間にか、そういう感情に心を支配されていた───………。