†シークレット・ラブ†


だけど───

時折見る夢の中で
俺は無意識に手を伸ばしては会えなくなった裕美を求めていた。


いつかは、そんな気持ちも消えるだろうと


祥子と結婚して
一緒に暮らせば

裕美の事なんか
いつかは忘れ去る事ができるだろうと


俺は
そう考えていた…。


だが…
俺の考えは間違っていたのかもしれない…。


祥子を愛していないわけじゃない…


結婚して
知らなかった祥子の姿を発見する度

可愛くて
愛おしくも感じた…

だが…



なんだ…?

この心のモヤモヤは…


何度もかき消そうとしても


かき消す事が出来ない思いを抱きながら

それに気づかぬふりして


祥子を…抱いた…



俺は…

本当に…


最低な男だよ…
祥子…




< 223 / 265 >

この作品をシェア

pagetop