†シークレット・ラブ†

優しく
大きな手のひら…
少し骨太の甲に
短く切られた爪が
清潔感を感じさせる
細く長い指…


気付いたら
あたしは


この手に守られてばかりだ…。



「雨沢さん…」



名前を呼ばれ顔を上げた…


視線が重なり
先生の
優しい瞳を
真っ直ぐ見つめた…


涙でぼやけて見える彼の顔が

少しずつ
ゆっくりと
近づいてきた…




そして



あたしは…


ゆっくりと



瞼を閉じた…。





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