†シークレット・ラブ†
静まり返った部屋に、チャイムの音が鳴り響いた。
重い体を無理やり起こして、玄関に向かいドアを開けると
「元気?ちゃんとご飯食べてる?」
スーパーのビニール袋を見せながら微笑む裕美がいた。
「裕美……」
裕美とは、祥子と別れたあとも付き合いを続けている。
時には、うちに来ては部屋の掃除をして、料理をして。愛しいと思う時もある…だが…なぜだ?
心の奥にポッカリと大きな穴が空いているのは…なぜなんだ…?
「ちょっと…誠司…。料理、まだ…」
玄関先で裕美の体を抱き寄せた。ドアを閉めて、唇を重ねる…
「せいじ…まっ…」
「待てない…今すぐ抱きたい…」
俺は、まるで心の奥に空いた大きな穴を埋めるように…
裕美の体を抱き上げて、ベッドまで運び襲うように服を脱がせ抱きしめた…。
裕美は、ただ俺にされるがまま…腕を背中に回して甘い声をあげてる…。
祥子と別れて…なにもしがらみも後ろめたさもなく裕美を抱けるのに…。
なぜだ?何度、裕美を抱いても…心が満たされない…。
裕美を選んだのは、他の誰でもない…。俺自身なのにな…。