†シークレット・ラブ†

「ごめん…色々あってね…」


落ち着いた雰囲気の喫茶店で3人で珈琲を飲みながら


あたしはただ2人に謝るばかり…。


この街を出て行ったのと同時に、あたしは全てからサヨナラしたくて。携帯の番号も替えて、誰とも会わないようにした。

1人で、1からやり直したかった。自分がどこまでできるか…不安だったけど…。

新しい人生を生きてみたかったから…。

だから…誰かに会うと、甘えて1人で生きていけなくなると思ったの…。


「けどビックリした。突然いなくなった祥子が、あの店で働いているんだもん。ヤッパリ、作るの好きだったんだね」


本当に驚いたんだからと話す真奈美に、あたしも驚いたと言葉を告げた。



一週間前。隣街に移り住んでいたあたしが働いているスイーツ店に、真奈美が偶然買いに来たのだ。


「あたし達ってさ、ヤッパリどこかで繋がってんだよ」


明るく話す真奈美と直美に、あたしの心がチクンと痛んだ。


「どうしてたの?」



心配してたんだよと聞く直美の言葉に


「うん…1人で…暮らしてた…」




そう告げた。





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