少女のヴァンパイア
ちょうどその時、
幼いシュリーが、
シュリーの横を通りすぎる。
シュリーは、
少女の行った方向をみると、
少女は後ろにいた、
女性に抱きつく。
『母様!』
幼いシュリーは嬉しそうだ。
―…母様?
シュリーは母の顔を、
よく見る為、
目をこらす。
だが、
その女の人の顔は、
ぼやけてみえない。
だが、
何故だか…その女の人は…
微笑んでいるように思える。
そして―…
『あらあら…こんなに汚れて…でも、わたしはそんな子が、大好きよ?』
どこかで、
聞いたことのあるような……
懐かしい暖かい声―…
この人は…
私の母様?
とシュリーは考えたが、
すぐにその答えを否定するかのように、
首を振る。
―…第一、この少女が私なのかも分からない。