少女のヴァンパイア
シュリーは、
黒い服の女の子を見る。
よく見ると、
この少女はさっきの女の子と全く同じ顔をしている。
だが……
体から放つ雰囲気が全く違った。
あの女の子は一言で言えば、
幸せな明るい雰囲気を放っている。
それに比べてこの少女は、
暗い。
闇みたいだけど、
闇とも言い切れない。
苦しんで、
何かに恐れている。
シュリーには、
そう見えた。
その少女は、
しっかりシュリーを見る。
――この先へ行かしては駄目。
絶対駄目。
少女はすごく必死だった。
もうふたりの姿はない。
シュリーは走り出した。
そして数歩走り出した時、
少女の叫び声が聞こえた。
シュリーが振り返ると、
そこに先程の少女の姿はなかった。
シュリーは、
不思議になりながらも、
少女に言われた通りふたりの後をおう。