少女のヴァンパイア

男が姿を消した後、

グレンは静かにシュリーへ近付いた。

「大丈夫か？」

その声は優しい口調だったが、

まだ怒りを忘れてはいないようだった。

グレンがシュリーの肩を触ったら、

ビクッとシュリーが肩を動かした。

そしてグレンをみる目は、

恐怖一色だった。

シュリーはあの男が忘れられなかった。

―…怖い…だれか…

シュリーが心を閉ざしかけた時、

シュリーは何か温かいものを感じた。

気付いた時には、

シュリーはグレンの腕のなかにいた。

「怖い思いをさせてわるかった。
もう大丈夫だ。」

その声はシュリーを安心させる呪文だった。

シュリーの震えは止まり、

シュリーは落ち着きを取り戻した。

そしてシュリーは意識が遠くなるのを感じた。

シュリーは静かにそれを受け止めた。

シュリーが最後にみたものは

グレンの温かい腕につつまれながらみた、

グレンの顔だった。