少女のヴァンパイア
「これは……?」
「カプセルです。
定期的にこれを飲んで、飢えを解消します。」
シュリーは頷いた。
ファイはにっこり笑って、
シュリーを寝かした。
「さぁ、そろそろ寝て下さい。
顔色がよくございません。」
シュリーはもう少し聞きたかったものの、
素直に頷き、
目を瞑った。
外はもう冬が近付いて来ていた。
シュリーが
グレンに拾われて、
1年が経とうとしている。
ファイは、
シュリーに毛布をかけて
部屋を出た。
シュリーは
寝たと思っていたのだった。
しかし
実際のシュリーは
―…嫌だ。
寝たくない。
ファイ…行かないで。
助けて…グレン様―…
「はぁ…はぁ…」
シュリーは
悪夢にうなされ、
現実と夢の中を彷徨っていた。