少女のヴァンパイア
『シュリー…逃げて。』
顔はぼやけていて、だれなのかは分からない。
でも声からして女の人だとわかった。
―…あなたはだれなの?
そう問い掛けたが、
その声は届かなかった。
その声の主は涙を流していた。
『ごめんなさいね。』
それから女の人は私に謝るばかりだった。
『貴方は…私達の大切な子供よ。』
『貴方は逃げられるのよ。
そして生きて。』
『こんな私を許してね。…でも次、貴方が起きた時、
私達の記憶だけないか。
それでいいのよ。
忘れた方が…』
『シュリー…愛しているわ。』