少女のヴァンパイア
ある夜のこと―…

街の中はみな、眠りについた頃、

一台の馬車が街灯の下を通り過ぎた。

その馬車はしばらく走っていたが突然とまった。

そして中から2人の男がでてきた。

「あれはなんだ?」

ひとりの男―グレンがもうひとりの男―召使のラントにきいた。

「人…のようですね。」

ラントがこたえた。

ふたり話している先にはひとりの人間が倒れていた。

近寄ってみるとそれは雪に少しだけ埋もれ掛かった少女だった。

顔は小さく綺麗な形をしているが、青白く顔色がとても悪かった。

何時間埋もれいるのかわからないし、生きているのかもわからない。

グレンはその少女を抱き上げた。

そして馬車の方へ足をむけた。

「グレン様!?」

ラントが驚いたようにグレンにいったが、グレンはラントの言葉を無視して馬車にのりこんだ。


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