少女のヴァンパイア

シュリーの目は輝いていた。

茶色いレンガの店がいっぱい並んでいて、

色とりどりのイルミネーションが施されていた。

「好きなものを買っていい。」

グレンが優しく言うとシュリーは驚いた顔をした。

「えっ…そんなのだめです!」

「何故だ?」

グレンが言うとシュリーは下を向いた。

「だ…だって…私は…グレン様の…召使だからです。」

最後の方は聞こえないほどの声だった。

グレンはその言葉に目を見開いた。

「俺がいつ、シュリーを召使といった?」

シュリーは肩をビクッと動かした。

グレンがすごく怒っているのを感じた。

―…なんで怒っているの?
私なにかしたの?
私は…召使じゃないの?

グレンはシュリーを路地裏へ連れていった。

シュリーはうつむいたまま顔をあげなかった。



< 41 / 198 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop