少女のヴァンパイア
シュリーの目は輝いていた。
茶色いレンガの店がいっぱい並んでいて、
色とりどりのイルミネーションが施されていた。
「好きなものを買っていい。」
グレンが優しく言うとシュリーは驚いた顔をした。
「えっ…そんなのだめです!」
「何故だ?」
グレンが言うとシュリーは下を向いた。
「だ…だって…私は…グレン様の…召使だからです。」
最後の方は聞こえないほどの声だった。
グレンはその言葉に目を見開いた。
「俺がいつ、シュリーを召使といった?」
シュリーは肩をビクッと動かした。
グレンがすごく怒っているのを感じた。
―…なんで怒っているの?
私なにかしたの?
私は…召使じゃないの?
グレンはシュリーを路地裏へ連れていった。
シュリーはうつむいたまま顔をあげなかった。