少女のヴァンパイア
「くそっ!」
グレンはそう呟いて、
近くにあった塀の壁を蹴った。
壁はグレンに蹴れ、
ボロボロと崩れた。
そして、
グレンはシュリーの後を追った。
その頃シュリーは寒い街の中を走っていた。
―…私…なにしてるのかな?
行くところもないし、グレン様から逃げた今…
私の帰るところはないのに……
そう思うとシュリーの走るスピードがおちて、
トボトボと歩いた。
自分が何処にいるか分からないと気付いた時には、
もう空は暗くなりかけていた。
シュリーはそれでも歩いた。
すると突然シュリーの肩をだれかが叩いた。
振り向くとそこには知らない男がいた。
その男はシュリーをニヤリと見た。
シュリーの背中に冷たいものがわたった。