少女のヴァンパイア
それからシュリーはグレンに食事に連れて行かれた。
そこもまたすごく高級感が漂っていて、
シュリーは自分が場違いじゃないかと思い始めていた。
店に入ると、
コック長みたいな人がでてきた。
「グレン様…お久し振りです。」
「あぁ。
テーブルを用意してくれ。」
グレンが言うと、
コック長が…待ってました。
と言わんばかりに目を輝かしていた。
見た目は40代ぐらいなのに、
こうして見ると、
このコック長は若く見える。
「実は今日…もう用意できています。」
「ほぉ…今日はやけに準備がいいな。」
グレンが疑いのまなざしで、
コック長を見ると、
コック長は苦笑いをしていた。
「またあんなことになっては困るので…」
コック長のその姿に、
普段から無表情なグレンが、
満足そうな顔をしてる気がした。