君に伝えたい
……あたしが見ているハルは。あたしの世界を作ってくれていて。
「……ハル…」
何よりも。誰よりも。かけがえのない存在なんだ。
だから。見逃す事なんてできなかった…。
……夏生を通り過ぎてでも。あたしはハルを追いかけたかったんだ。
「……ふんふーん♪」
今回歌う唄。
やっぱり、バラードで哀しい唄……、
今度は、離れていく。
傍に居てくれた。たった1つの笑顔が。
どんどん消えて、壊れて。戻らなくなってしまう。
「………………っ!」
……行かないで、と、あたしは手を伸ばすけど。
その手が引かれる事は無い。
あたしはただ。見ることしか出来ないんだ
離れていくのを。ただ……。
「…………!……」
っ気付くと。涙がでてる……。
目を閉じただけなのに。涙が、ツーっと頬を伝っている。
「…………?……」
………………そう。
……見えていなかったわけじゃない…
ただ。見逃していたんだ。