君に伝えたい
「よし!絶対成功させるぞ!!」
あたしは唄に、より情熱を注いだ。
毎日毎日、…あたしの頭は音楽とハルだけだった。
――そして一週間後の歌のレコーディング。
「……うん。OK!よく頑張ったわ」
「ありがとうございました!」
あたしは。課題曲を無事クリアした。
あたしの歌だ……!!
「それじゃ。今から売り込み行ってくるわ。あなたは学校に行きなさい」
「はい!」
何か照れ臭いけど…これで。ハルに少し近付いた。
それが何よりも嬉しい……!!
――ガラガラッ!
ルンルン気分で教室に入った。
「…っと…………」
ヤバイ、授業中だ…!
皆がアタシを見てる~!。
「鮎原か、…早く席につきなさい。」
「は~い」
その言葉と一緒に。皆黒板へと視線を戻した。
ちょっとだけほっ……
――この時に。気付かなかった……
……いや。今まで気付かなかった。
アタシを見ている。夏生の視線に……
…あたしは。夏生の何を見ていたんだろう。
夏生が見てくれたぶんだけ。きちんと向き合った事があっただろうか……