君に伝えたい





何処に居るんだろう……




学校に来てからの昼休み、あたしは夏生を探し回っていた。




しばらくキョロキョロと辺りを探していると。遠くの方に見覚えのある後ろ姿を見つけた





「夏生!!」


「お、美咲」




誰かと話しているみたい……





タタタッと夏生に近寄ってみると、夏生が話していたのは女のコだったわけで……





こともあろうに、何か手紙を渡していたらしい。




……しかも廊下のど真ん中…!



周りの男子やノリの良い女子がニヤニヤと冷やかしてる。






「あ……、ごめん……」


「…………」




しかもあたし、凄い大声出しちゃった……





皆の『空気読め』な視線が痛かったから、急いで逃げ出そうと後ろを向いた。







な、何てタイミング…!




めちゃくちゃ恥ずかしい……






そもそもが!こんなとこでラブレター渡してんな馬鹿ー!!





ブツブツと文句を言って歩いていると……。




「……悪い。…俺…、今はアイツしか見れないから。」






そんな言葉が、あたしの耳に入った。






思わず立ち止まって、後ろを振り返った





シーンとしている廊下には、告白した女のコの泣き声が微かに聴こえる。









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