君に伝えたい




でも…あたしはハルが好き……







「せっかくだし、付き合っちゃえば~!?」


「っおい…それは……!」






ハルが大好きで、




誰よりも。一緒にいて。






「ほら~!付き合っちゃえ!」


「そうだよ~!何気に上手くいくかもよ~!?」






ハルしか見えなくて、





想いが爆発しそうで…





「ほら!もっとくっつき………………」






――ポタッ…………





「……っ…………」





……もう。溢れてしまっているの。




「…うっ…!………」


「美咲…………」


「っ……………」





いつの間にか泣き出していたあたしを。夏生は優しく抱き締めてくれた。





夏生は、自分の胸にあたしの頭を片手で引き寄せて。涙を隠してくれた。






そんな気遣いに、更に涙が出てくる。





ハルとの思い出が、一瞬にしてブワッと蘇る。









「………っ会いたい…!……」



「…………あぁ。」


「ハルに……、会いたいよぉ…………」





会いたい。



会いたい。






今すぐ、君に会いたい。







「っ……ひっく……」





君と別れた頃を。思い出す、






自分の気持ちに嘘ついて。離れて行く君を止めなかった。







あたしは馬鹿だ…………






こんなにも会いたいのに……



もうハルには。きっと二度と会えないのかもしれないのに……





自分の心に、壁を作ったあの日。




その壁を壊したのは、他の誰でもなくその壁を作ったあたしだった。






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