君に伝えたい







辛いよ………………





「っ…………!……」



「あ!あの…………!」






あたしは走り出した。




直前に、男の呼び掛けが聞こえたけど。もう何も聞きたくなかった………………







苦しいのはもう嫌だ。




堪えきれないよ…………






「うっ……っうぅ…………!」







ハル。






君はこんな時。どうするの?







君は。あたしの声を聞いてくれるの……?






「っ……会いたいよぉ…………!」






あたしは。誰も居ない場所で大声で泣いた。






ただ。会いたいと願いながら…………。









やっぱり。伝わらない






会いたい気持ちは、ハルには伝わらないんだ……







あたしは奪ってしまうだろう



自分で自分の事を







悲しくてもどかしい、この自分を………







「誰か………………」







あたしの声を。聞いて………………








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