君に伝えたい




あたしは深く呼吸をしてから、ドアを開けた




「失礼します……」


「あ。どうぞー」






中には、イスに座ってヘッドホンを首にかけている優斗さんがいた。





どうやら、レコーディングするばしょみたい……






「じゃぁ、そこに座って?ちょっとコレ終わらせちゃうから」


「はい。」






優斗さんは作詞、作曲、演出、全部をこなしている





あたしはただ、歌ってるだけ……?





本当に、あたしの唄は皆に伝わってくれるの?





――――♪……~






優斗さんの作ったと思われる曲が、部屋に響き渡った。








――――ブワッ……!!






「………………!!」






体が、ゾクゾクした。







いや、ソレだけじゃない……





心が、あり得ないくらいに震えたの。







「……美咲?」


「………………」







何で。こんなに感じるの……??





今まで優斗さんの唄を聞いたこと無かったから??




初めて聴いたこの曲が、あたしをどんどん小さくしていくきがしたの








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