君に伝えたい
「………………」
美咲の泣き声がわずかに聞こえてくる。
…と言うか、多分美咲ならこのタイミングで泣くはずだ。
いつも辛い事は自分の中に詰め込んで、
『何もなかった』って無理矢理言い聞かせて
…夏生。
俺、美咲の事大好きだ。
でも
美咲の事を泣かせている俺が
……自分の想いを必死に堪えている夏生と、張り合う資格はないんじゃないかな??
「…うっ……!!」
美咲と離れたくないよ?
「…うぅぅ……っ!!」
けど、離れた方がいいんだ…
「……お前…さ、」
ホントにごめんな?
幸せになってほしいんだ。
「……夏生の事、好きなんだろ?」
けど、幸せにするのは俺じゃ駄目だから。
「さっきも……抱き合ってたし。」
…美咲の顔を見れない……