君に伝えたい
それから夏生と仲良くなって。
高校に入ってから俺は告られまくり…
でも全部断ってきた。
もう美咲の事しか見えなくなってたから。
そんな時に、クラスの男子から聞いた言葉。
『なぁ、鮎原って可愛くね?』
『ああ、俺マジでタイプなんだけど』
『いいよな~!学年で一番じゃね!?』
モテモテ…………、
美咲ってこんなに人気あんのか…
不安だな…、
その日から、ヤケに男共の視線を気にするようになった。
こうして見ると、結構沢山の人が美咲の事を見てる…。
『なぁ夏生…美咲ってモテんのか?』
『美咲?……まあモテるんじゃねぇの?』
『そっかぁ…』
やっぱりモテるんだな…
『ありがと。』
そう言って夏生と別れた俺。
でも、夏生と別れる直前、
ふと見てしまった。
夏生の視線の先を、
その先には、友達と笑いあっている美咲がいて。
夏生は、その光景を優しい目で見つめていた。