怪盗イニシャルSからの予告状
読書感想文は一番に済ましたから…



えっと…



一番…



「あれ?」



瞬間、俺の手はピタッと止まった。



感想文が…ってか、入れておいたはずのノートまで…



ない?



………



んなバカな。



俺は確かに…



俺はもう一度バッグの中を探った。



でも…



ない。



ない。



ない。



な…い…。



やっぱりバッグの中には、入れておいたはずの宿題がゴッソリと無くなっていて…



………



「次。高科。…高科?」



「あっ…えと…」



「あ?」



なくなった宿題を提出することなんて出来るはずもなく…



「センセー。感想文…頭文字Sに取られました。」



「は?」



わけのわかんねー言い訳がセンセーに通じるはずもなく…



「……今日中に提出…な。ほれ、原稿用紙。」



「………はい。」



俺は、もう一度、読書感想文を書く羽目になってしまった…。

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