怪盗イニシャルSからの予告状
放課後…。



頭文字Sに宿題の全てを奪われてしまった俺は、



今日中に提出しなくてはならない読書感想文を、もう一度書き直していた。



「なにして…って、あっ…」



「ん?」



「それってもしかして…」



「うん。読書感想文。今日中に書け…だとさ。」



そして、さっきまで覗き込んでいた原稿用紙からパッと顔を背け、



「うわ…書き直しなの…可哀想なことしちゃったかな…」



「ん?」



「あっ!!なんでもないっ!!終わるまで待ってるから…ゆっくり書いていいよ。あっ…あはは…」



“ゆっくり”とか…らしくねーことを言う凜を不思議に思いながら、



「うん。もーちっとだから…」



「……そっか…。」



残り一枚をカリカリと書き続けた。

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