【実話】~17歳~浮気男を愛してる。
2人の会話を、あたしは静かに聞いていた。
「クミ?」
『…何?』
「今回は、クミも悪いよ。アキヒロ君がいなきゃ嫌なんでしょ?…なら、困らせたらダメだよ。」
お母さんは、まるで保育園の先生みたいに、あたし達を交互に叱った。
あたしが、"うん。ごめんなさい…"と、返事をすると、"2人でゆっくり帰って来なさい"って言い残し、さっき来たばかりの道を、お母さんは歩いて行った。
その時、残ったあたし達2人の横を、大きい音をたてて、汽車が通る。
"あと一歩、見つかるのが遅ければ…"
と、頭の中では嫌な妄想が巡っていた。