【実話】~17歳~浮気男を愛してる。
『アキヒロっ…!これ書いて!』
予想を裏切る事もなく、爆睡している彼を急いで叩き起こした。
「…何これ~?」
寝ぼけ眼を擦りながら、用紙を覗いていた。
『明日手術だから。…書いて!判子も押してね。』
「判子!?ないよ~。シャチハタでもいいの?」
『…なわけないじゃん。ちゃんと探して。』
こんな大事な、大事用紙に、シャチハタでいいはずないでしょう。
一つの命の重みを…
あたしの悲しさを…
アキヒロは分かってなんかいないね。
この紙を持って来た事を…ちょっとも叱ってくれないね。