_残酷すぎるキミ_[短編]
「だってね。女の子達がキスしてって。そう言うから」
そう言って男は、なぜか私の隣に座りこむ。
今思えば、この時にはすでに、日向の毒にはまっていたのかもしれない。
「これって、言い訳なのかなー?」
そう言って、少し声のトーンを下げて喋る男を、私は顔をあげて初めてちゃんと見た。
私は見とれたんだ。
そしてただ、ただ思ったよ。
そりゃーこんなにいい男、女がほっとくわけないかって。
その男の髪は、男のくせにケアしてんのかってくらいにサラサラで、綺麗なクリーム色がよく似合って、
瞳はそんな髪色におとってない、綺麗な茶色。
肌の色は、私よりか少し黒いかなっていうぐらいの色で…だけどきっと男の中では白い方。
整いすぎている綺麗な顔立ち。
あー、このひとは、
生まれてくる前から、神様を味方につけたんだって、そう思った。