_残酷すぎるキミ_[短編]
それにこの顔、同じ高校にいて知らないわけがない。
正面からみたことがなかったけど、かっこいいことはわかっていた。
ここまでだとは思ってもみなかったけど…
そして毎日のようにこの男の名が耳に入る。
__日向君、〇〇さんとねたらしいよー
___私、日向君好きー
この男はこの学校のアイドルと言ってもおかしくないような、そんな男。
そして…、超がつくほどの女ったらし。
毎日裏庭でいろんな女とキスしてるぐらいだしね…。
だけど本人は自覚症状なしってところか…。
「ねぇ、」
「なにー?」
そう言って男は私の顔を除きこむ。
「さっきの、やっぱりーって、何?」
「あー、それね。ただ、図書室から綺麗な鼻歌が聞こえてきたから、誘われてきてみれば、可愛い子がいたなーって。」