_残酷すぎるキミ_[短編]
「・・ふーん」
私はなんて答えればいいのかわからず、うつむく。
「ねぇ、なんて呼べばいい?」
「へっ?」
間抜けな声を出した私に男は言う。
「だからー、名前っ」
「名前ね。白川 」
「したの名前は?」
「・・雅。」
「ふーん…。雅か~!可愛い名前」
そう言って彼は笑う。
その瞬間、
チュッ
可愛い音が図書室に聞こえたかと思えば…
「ちょっ…と。いきなりなんなの?」
「えっ?キスだけど…」
「キスだけどって…ちょっと……」
当たり前のように言う男に、私は何を言えばいいのかわからなくなる。