【短編】君を想う
ファミレスなんて久しぶりに入った。
よく、こういうところで勉強してるヤツとかいるけど、俺からすれば信じられない。
こんなガヤガヤしたところで、とても勉強なんてできない。
……って、友達同士集まってするにはいいのか。
図書館の勉強室で友達同士、話しながらされても俺としては困るしな。
ハンバーグ定食に決めた俺とは対照的に、目の前の千鶴は2つのページを行ったり来たりしていた。
……何を悩んでるんだか。
強行突破で呼び出しボタンを押した。
「えっ!? ちょっ」
まだ決まっていないのにボタンを押されて、目の前の千鶴は焦っていた。
「何と何で悩んでんの?」
立てるようにして見ていたメニューに、人差し指を引っかけて倒した。
開いていたのはパスタ類。
「カルボナーラとグラタン……」
……どっちもクリーム系だし。
ま、千鶴の母親・由貴子さんが作るグラタンは絶品だしな。
あれを昔から食ってたら、グラタン好きにもなるな。