【短編】君を想う
すれ違う心

月曜日の朝。

千鶴を迎えに行くと、ドアを開けた千鶴は何だか冴えない顔をしていたから、やっぱり行こうかどうしようか悩んでたんだろう。


“約束”の話をしたら、覚悟を決めたみたいだった。

しょうがないよな、こればっかりは。


朝は勝手に入っていいことになっているから勝手にリビングへ足を進めると、千鶴は智明を気にしてか挙動不審だったから笑ってやった。


最近、直人さんの姿をめっきり見てないけど、忙しいのかな。




「智明は?」

食卓に、智明の姿はなかった。


「なんだか急いで出ちゃったのよ」

美佳さんはそう言って、困ったような笑みを浮かべた。



……アイツ、逃げたな。



「ちーちゃんとつき合ってるって本当なの?」

なんていきなり聞かれて、千鶴じゃないけどコーヒー吹き出すかと思った。



どうやら昨日、俺があんなことに巻き込まれてる間に、ここでも一悶着あったらしい。

聞けば、智明が爆弾を落としていったんだとか。



イライラしてんなぁ。

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