【短編】君を想う
「よかったね。千鶴が椎名家の嫁になりそうで」

笑いながらそう言うと、

「修ちゃんはそれでいいの?」

と逆に言われて思わず目を丸くしてしまう。


……さすが、3人の親代わりだけある。



「いいよ。俺はどっちも大切だから」

照れもせずこんな風に言えるのは、本当の母親ではないからだろうか。



「じゃあ、修ちゃんもうちのお婿さんに来る?」

それとも、こんな美佳さんだからだろうか。



……智明の部屋から千鶴の声が聞こえる気がする。

と思ったら智明が入って来た。


なんだかご機嫌だ。


「おはよう。久しぶりー」

嫌味を込めて言ってやると、

「おーっす」

と、何事もなかったように返って来た。


「朝からイチャついてんじゃねーよ」

「……見てたのか?」



……マジかよ。

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