【短編】君を想う
声のする方に目をやると、青いエプロンをした女性が本を拾っていた。
「すみませんっ」
俺も慌てて本を拾う。
書架の方を向いて歩いていたから、人が来ていることに気づかなかったらしい。
落ちた本を全部拾ってそれを、運んできたのであろうワゴンに乗せた。
「すみません。ありがとうございました」
「いえ、こちらこそ……」
改めて見てみると、その人はよく貸出カウンターにいる人だった。
胸についている名札には“桜井”とあった。
「その制服……」
彼女は俺の制服をまじまじと見た。
この辺でこの制服を着ている人は珍しい。
朝の電車でも注目されているのは知っていた。
「……どうか、しましたか?」
「あ、いえ。……弟が通ってたんで」
「弟さん、ですか」
「すみませんっ」
俺も慌てて本を拾う。
書架の方を向いて歩いていたから、人が来ていることに気づかなかったらしい。
落ちた本を全部拾ってそれを、運んできたのであろうワゴンに乗せた。
「すみません。ありがとうございました」
「いえ、こちらこそ……」
改めて見てみると、その人はよく貸出カウンターにいる人だった。
胸についている名札には“桜井”とあった。
「その制服……」
彼女は俺の制服をまじまじと見た。
この辺でこの制服を着ている人は珍しい。
朝の電車でも注目されているのは知っていた。
「……どうか、しましたか?」
「あ、いえ。……弟が通ってたんで」
「弟さん、ですか」