粉雪2-sleeping beauty-
the rainy season
―――季節はいつの間にか、梅雨に入った。
相変わらず千里は、勝手に俺の家に来て、掃除なんかをしてくれている。
日曜には叩き起こされ、請求書には文句をつけられ。
俺達の関係なんて、良くも悪くも何も変わっていない。
だけど俺も、この関係を壊そうなんて思ってなかった。
―ガチャ…
「ゲッ!」
家のドアを開けると、キッチンからはカチャカチャと食器のぶつかる音が聞こえ、
少しだけため息をついた。
『あっ、マツだぁ~!
おかえり♪』
当たり前の様に、笑顔を向けられる。
最近の千里は、何故かよくうちに来る。
掃除だの洗濯だのと理由をつけては、家政婦の様に働いていた。
『これから寝るんでしょ?』
「…先に言っとくけど、もぉトランプはしねぇぞ?」
朝の電話番を終えて帰宅すると、俺の就寝時間が始まる。
なのにこの前は、トランプに付き合わされた。
その前は、ニモだかホモだかのDVDだ。
『…誰もそんなこと言ってないじゃん。』
眉をしかめた千里は、言葉を続ける。
『…別にあたしだって、暇じゃないんだよ。
アンタの会社の支払い明細書、作らなきゃいけないんだし。』
「…よろしくお願いします。」
棒読みで言い、スーツの上着を脱いだ。
逃げるように寝室に向かい、扉を閉める。
相変わらず千里は、勝手に俺の家に来て、掃除なんかをしてくれている。
日曜には叩き起こされ、請求書には文句をつけられ。
俺達の関係なんて、良くも悪くも何も変わっていない。
だけど俺も、この関係を壊そうなんて思ってなかった。
―ガチャ…
「ゲッ!」
家のドアを開けると、キッチンからはカチャカチャと食器のぶつかる音が聞こえ、
少しだけため息をついた。
『あっ、マツだぁ~!
おかえり♪』
当たり前の様に、笑顔を向けられる。
最近の千里は、何故かよくうちに来る。
掃除だの洗濯だのと理由をつけては、家政婦の様に働いていた。
『これから寝るんでしょ?』
「…先に言っとくけど、もぉトランプはしねぇぞ?」
朝の電話番を終えて帰宅すると、俺の就寝時間が始まる。
なのにこの前は、トランプに付き合わされた。
その前は、ニモだかホモだかのDVDだ。
『…誰もそんなこと言ってないじゃん。』
眉をしかめた千里は、言葉を続ける。
『…別にあたしだって、暇じゃないんだよ。
アンタの会社の支払い明細書、作らなきゃいけないんだし。』
「…よろしくお願いします。」
棒読みで言い、スーツの上着を脱いだ。
逃げるように寝室に向かい、扉を閉める。